迅速なサポートで実現した高信頼ナットランナ開発「ハンドナットランナシリーズ」(株式会社エスティック様 採用事例)

株式会社エスティック

事業内容電動工具、産業用ロボット・自動組立ラインの製造ならびに販売
お客様の製品ハンドナットランナシリーズ
採用ライセンスμC3/StandardμNet3μC3 File SystemμC3-SDドライバμC3-WLANドライバ
CPU新CPU

株式会社エスティック様は、国内外の自動車メーカーなど向け締付工具で高いシェアをもつ産業用機器メーカです。この度同社のハンドナットランナシリーズに、弊社製品を採用していただいたため採用前の課題や効果をお伺いしました。

課題

安定したWLAN通信機能と
最大10台の機器との接続の実現

採用の決め手

性能向上のため選定したCPUに、
当時RTOSが未対応だったが
イー・フォースが柔軟に対応

効果

通信部分の課題に対して、
最後まで協力してくれる
保守サポートにより製品化が実現

―――弊社製品を採用していただいた、貴社製品について教えてください。

イー・フォース製品を導入したのは、当社の主力製品であるナットランナです。ナットランナには、作業員が手持ちで利用する手持ち式と、機械に組み込んで使用する設備用があります。手持ち式は有線接続が主流でしたが、当社ではコードレスタイプの製品にも注力しています。従来のコードレスナットランナはコントローラー1台につきツール1台の接続でした。今回の機器では管理の集中化を目指して、1台のコントローラーで最大10台のツールと接続できる構成を実現しました。

株式会社エスティック
開発部 主任技師
美越 剛宣様

導入前

2.4GHz帯を利用、電波干渉により通信が不安定に

従来のコードレスナットランナの開発時に無線化方式の検討を行い、WLAN、IEEE802.15.4、Bluetoothの中からIEEE802.15.4を採用しました。2.4GHz帯は電波が密集しやすいため、電波干渉により通信が不安定になる問題が発生しました。 そこで次世代の機器では

「工場内の電波干渉を受けにくい5GHz帯のWLANへの対応」

「最大10台の機器との接続の実現」の2つの要件が求められていました。

―――弊社製品を選んだ理由を教えてください。

10台制御が可能なパフォーマンスを目指し、新たなCPUの採用が決定しました。 しかし、長年取引のあったRTOSベンダーでは新CPUへの対応が難しく、新たなRTOSベンダーを探すことになりました。その際、イー・フォース社に相談したところ、快く対応を引き受けてくださり、μC3/Standardを導入することにしました。 トラブルを最小限に抑えるため、RTOSだけでなくミドルウェアを含めイー・フォース社製品で統一する方針としました。 また、開発リソースの不足にも悩んでいましたが、営業担当の方に、パートナー製品(USB導入/東光高岳社など)の選定や委託開発まで取りまとめていただき、開発を円滑に進めることができました。

導入後

―――ナットランナシステムのコントローラー機能について教えてください。

コントローラーはPC上のソフトウェアまたは本体操作で、目標トルクや動作方式などの設定値を変更することができます。当社製品は、締付のパラメーターだけでも100種類以上あり、きめ細やかに締付を制御することが可能です。 締付結果がコントローラーに集約され、お客様に見て頂くことができます。正しく締付できたかどうかという単純な情報から、締付完了時のトルクや角度などの詳細な情報も確認可能です。今回のコントローラーは詳細情報を100万件まで保存できます。さらに、1回の締付の中でトルク値や角度がどのように推移していったか、というカーブ情報も取得可能です。 これらの情報は本体や対応するPCソフトで閲覧できるだけなく、上位のサーバーへ通信で共有できます。 近年トレーサビリティの重要性が高まっており、自動車工場などでは、締付結果履歴やカーブ履歴が長期に保管され、後から確認できる環境が求められています。

―――イー・フォース製品はどのような機能に利用されていますか?

コントローラーに求められていた要件は、

・ツール機器の10台制御
・静電式タッチパネル搭載によるモダンなユーザーインターフェースの実現

の2点でした。コントローラーにはμC3/StandardとμNet3を搭載しています。μNet3にはツール、PC上の専用ソフト、上位サーバーなどとの通信の用途があります。締付結果履歴などの保存用に SD カードも搭載しています。 ツールでは複数のマイコンが動作しており、メインの処理は、イー・フォース製品が搭載されたCPUが行っており、無線通信やSDカードへの記録などを行っております。

親身で迅速なイー・フォースの保守サポート

―――以前からRTOSを使った開発のご経験はありましたか?

私が過去に在籍していた2社の電機メーカーではμITRON仕様の社内オリジナルRTOSを利用しておりましたが、有償版のRTOSに触れるのは今回が初めてでした。 1社目はサポートがなく自力で解決するしかなく、2社目ではサポートはありましたが、迅速な対応ではありませんでした。

―――イー・フォースの保守サポートについて教えてください。

イー・フォース社の対応は非常に迅速です。不具合に関する質問をした際、その日のうちに修正案を提示してくれたこともありました。 特に印象的だったのは、OSか自社コード起因か判断が難しい状況で質問した際も、親身に対応してくれたことです。サポート担当者から「当社にボードを送っていただければ確認します」と言われたこともあり、その姿勢に大変感謝しています。(※通常、評価ボードで再現できる環境のご提供をお願いしています。) 他社では「分かりません」と突き放されるケースも多い中、イー・フォース社のサポートは非常に手厚く、安心感がありました。結果的にボードを送るまでには至りませんでしたが、困難な状況の中でその一言が大きな支えとなりました。

―――保守サポート窓口にはどのような問い合わせをされていましたか?

当社製品は10台制御への対応が必要だったため、ネットワークを担うμNet3に関する質問が多かったです。私はOSには自信がありましたが、ネットワーク分野の経験は少なかったため、イー・フォース社のサポート担当者から「このような使い方をした方が良い」や「切断時間を長めにとり、μNet3に任せた方が良い」など具体的な提案をいただけたのは非常に助かりました。責任の観点から、ここまで踏み込んだアドバイスをくれるベンダーは珍しいと思います。 一般的なサポートなら1週間程かかる中、リリース直前の複雑なトラブルにもイー・フォース社は迅速に対応してくださり、心強かったです。

μC3/Standard上で150以上のタスクと70個弱のソケットが稼働

今回のコントローラーは10台制御に対応するため処理量が従来の約10倍となり、開発当初は心配していました。 しかし、製品化までに設計上の遅延要因の改善を行いましたが、OSを疑うことは一度もありませんでした。150ものタスクが安定して稼働し、速度面でも問題がないことは、今では「当たり前」になっていますが、そのレベルの高さに改めて感心しています。

貴社製品の今後の展望について

お客様が必要とされる機能を拡張することはもちろんですが、開発効率と品質の両立、そして機種展開の容易化を目指しています。 そのために現在、新しい共通プラットフォームを設計しており、今後はそれをベースとした開発を進めていく予定です。特に締付制御のようなリアルタイム性が求められる領域では、RTOSの活用がその目標達成に貢献すると考えています。

イー・フォース製品の導入を検討されている方へ

きちんとサクサクと動作するμITRON仕様のRTOSであることと、付属のμC3/Configuratorにより設定や導入もスムーズに行える点をお伝えしたいです。一点補足すると、TCP/IPについてはITRON TCP/IP仕様とは互換ではありませんが、ITRON TCP/IP 仕様からの移行も容易です。全体としては非常に扱いやすく、安心して導入できる製品だと思います。

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